12.思い、受け取る
テレビを消して、静かに端末のデジタル時計を見守る。三、二、一。「新年好」 年が明けて、私と无限大人は向かい合って挨拶を交わした。外から、爆竹の音や、打ち上げ花火の華やかな音が聞こえてくる。これから、无限大人と過ごす一年が始まると思うと、わ…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
11.除夕
今日は旧暦の大晦日である除夕。一緒に年越しをするために、无限大人と小黒がうちへやってきた。今夜は、年夜飯を作って一緒に食べる予定だ。魚料理やお餅を用意しておいた。春節の期間中は、年菜を食べる。これは日本のおせちのようなもので、縁起の良いも…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
10.瞳の熱
久しぶりに、无限大人と一緒に食事をすることになった。仕事が終わってから駅前で待ち合わせをして、店に入る。まだ、一緒にいると緊張してしまう。付き合う前の方が、もう少し落ち着いていたかもしれない。付き合っているという状態に、なかなか慣れること…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
9.渡したい気持ち
无限大人に渡す指輪。 どんなものがいいだろう、と考える。同じシルバーで、シンプルなものでもいいけれど、何か石がついているといいかもしれない。 翡翠は无限大人の瞳の色。この石を見るたびに、あの眼差しを思い出すことができる。そんなふうに、何か…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
8.薬指の意味
无限大人に指輪を贈りたい、と思ったものの、どうやって渡そうか、と悩んでいた。誕生日プレゼントのお返しではへんだし、かといって正直に伝えるのも躊躇ってしまう。无限大人が指輪をどんな気持ちで贈ってくれたのか、それを知らないとどこまで伝えていい…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
7.伝えたい想い
「どうも、こんにちは」「こんにちは。小香と申します。よろしくお願いします」「明俊です。これからよろしくお願いしますね」 カエルに似た見た目の妖精は、丁寧に頭を下げた。彼は、最近別の館からこちらに移ったのだそうだ。背丈は小黒より小さいくらいだ…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
6.長寿麺
休みの日、无限大人と小黒の三人で長寿麺を作ることになった。本当は无限大人が作ろうと言ってくれたのだけれど、小黒が私も一緒に作ってほしいと頑として言うので、うちに来てもらって作ることになった。私も无限大人だけに任せるのはよくない気がしたので…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
5.プロポーズ?
「すまないが、小黒を待たせているから帰るよ」 无限大人はそう言って立ち上がる。私も見送るために立ち上がる。「はい。すみません、来てもらって」 肩を竦める私に、无限大人は微笑んでみせた。「私が会いたかったんだ」 たった一言で、私は天にも昇る気…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
4.指輪
夕飯も食べ終わり、お風呂に入ろうかと考えているところでインターホンが鳴ったので、ぱっと立ち上がる。 きっと彼だ。 今日、戻ってくると言っていたけれど、何時頃こちらに来るかまでは聞いていなかった。だから、まだかな、と何度も時計を確認しては待…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
3.ひとつの不安
「今日、会えなくなったんだって?」「うん……」 仕事の終わり際、雨桐が声を掛けてきた。本当なら、これから无限大人と過ごすはずだった。でも、任務が長引いてしまって、まだ帰れないと電話があった。 雨桐は慰めるように私の肩に手を置いた。「忙しい人…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
2.寿命の差
「小香、明日は誕生日、というものだそうね」 用件がひととおり終わったところ、深緑さんがそう切り出してきた。「人間は寿命が短いから、生まれてからの年数を数えるのを大切にすると聞いたわ」「あはは、妖精に比べたらずっと短いですからね」 妖精は世界…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 逢ひ見てののちの心にくらぶれば
1.誕生日
「そういえば、もうすぐ誕生日だっけ」 雨桐に言われて、あ、と思い出す。カレンダーを見たらあと一週間ほどだった。「去年はまだ知らなくて祝い損ねちゃったからね。今年はお祝いするよ。何かほしいものある?」「えー、うれしいなあ。なんでもいいよ」 …
夢小説 恋ぞつもりて 逢ひ見てののちの心にくらぶれば