23.赤いバイク
前日は興奮が収まらず、なかなか寝付けなかった。それでも無理矢理目を閉じて、身体を休めておいた。朝には目覚ましが鳴るより早く目覚め、とうとうその日が来たことを理解した。 動きやすい、でも少しかわいさを取り入れた服を着て、鏡に映る自分の姿を確…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 色も无き花に香りを染めしより
22.知りたいこと
「今度ね、ぼくたち蘇州へ行くんだよ」 デザートのアイスをつつきながら、小黒が言った。「蘇州? 東洋の水の都って呼ばれてるところだね。いいな。私もいつか行きたいと思ってるの」 蘇州は二千五百年の歴史を持ち、古い街並みが残っている古都だ。最も河…
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21.定食屋さん
待ち合わせ場所について、端末を確認し、鞄に仕舞う。顔を上げると、ちょうど人波の中にこちらへ向かってくる二人の姿が見えた。 ロングコートの裾を翻しながら、足元をちょこちょこと歩く小黒の手を引き、誰かにぶつからないように気遣う様子に胸の奥がき…
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20.心の片隅に
部屋を出ると、楊さんと誰かの話す声が聞こえて、どきりとする。 无限大人だ。廊下に置かれた椅子には誰も座っていない。小黒は今日は来ていないみたい。「それでは」 椅子から立ち上がる音がして、二人が外へ出てくる気配がした。息をつめて、出口を見つ…
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19.嬉しい言葉
「あ! 小香だ!」 館を歩いていると、後ろから駆け寄る音がして立ち止まり振り返った。「小黒」 ぱたぱたと足音を立てて走ってくる小黒の後ろには、无限大人ではなく冠萱さんと逸風くんがいてあれ、となった。「无限大人と一緒じゃないのね」「うん。まだ…
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18.あなたに染まる
最近、こちらでは漢服、という漢民族伝統の衣装を普段から着ることが流行っているそうだ。それは人間たちの間でのことで、長く生きている妖精たちは歴史がかった服装をしていることが多いので、職場では見慣れている。日本でも、妖精たちは着物を着ていた。…
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17.恋煩い
『新年快楽!』 その四文字を、思い切って送信する。スタンプまでつけるのはちょっとテンションが高いかな、と悩んでやめておいた。「ちゃんと送れた?」 ベッドで仰向けになり、通知が鳴り続ける端末をいじりながら雨桐に確認されて、なんとか頷く。「返信…
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16.好きなもの
「小香! こっちだよ!」 小さな手をめいっぱい伸ばして呼ぶ小黒の元へ、小走りで駆け寄る。「こんにちは、小黒」「こんにちは!」 今日は、无限大人と一緒に小黒と三人でご飯に行くことになった。私とご飯に行っていることを知って、自分も行きたいと言っ…
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15.結ばれた縁
第一印象、というと、正直に言えばよく覚えていない。楊に紹介されて、わざわざ外国から来るとは仕事熱心な人だと感じた。その後に見かけた勤務態度も真面目で、日本人は彼女のような人が多いのだろうかと考えた。 やはり、あの一件が印象深い。客に怒鳴ら…
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14.知ってしまったから
大通りから少し離れると、かなり人通りは少なくなった。 しばらく無言で、並んで歩く。今日は、期待していた以上のことばかり起こっていて、なんだか心がふわふわしてしまう。お酒のせいも少しはあると思うけれど。 私は、この人のことが好きなんだな………
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13.火照り冷めず
「日本酒か」 メニューを見ながら、彼がぽつりと呟く。「せっかくだ、試してみたい」「じゃあ、頼みましょうか」 飲みなれた甘口のものを選び、店員さんに注文する。店員さんが下がったあと、少し沈黙が下りた。「あの、お酒は飲まれるんですか?」 話題が…
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12.ツーショット
待ち望んでいた連絡が来て、さっそく日取りを決め、店を予約した。選んだのは寿司屋だ。日本人の店主がやっているお店で、以前食べに来てみたところ日本で出てくるお寿司そのままでとても美味しかった。和食と言えば、やっぱりまずは寿司かなと思う。喜んで…
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