66.龍遊民居苑
雨桐と一緒に買いに行った漢服に袖を通し、鏡の前で入念に確認する。どこか間違ってないか、なんども身体を捻って背中も確認して、そうしていたら約束の時間が近いことに気付いて慌ててポーチを手に取る。これも漢服に併せて用意したものだ。遅刻しちゃう、…
夢小説 恋ぞつもりて 羅小黒戦記 色も无き花に香りを染めしより
65.決めた居場所
「今日のところはいいと思うんですよ」 張り切って深緑さんの前に資料を並べようとしたら、深緑さんは待って、と手のひらを翳して私を止めた。「もういいの。今日はそれを伝えに来たの」「もう……って?」 私は深緑さんの顔を覗き込む。あまりに私の紹介す…
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64.外灘
外灘へは三輪タクシーを捕まえて行くことにした。その座席は大人二人が並んで座ると少し窮屈で、小黒は无限大人の膝に収まった。「狭くないか?」「大丈夫です……」 右側がぴったりと无限大人に密着してしまい、心臓の鼓動が聞こえてしまうんじゃないかと…
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63.豫園商城
庭園を出て、南翔饅頭店で小籠包を食べることにした。上海で一番と有名らしく、行列ができている。「小黒、待てる?」「うん!」 中に入るまで少しかかりそうだから小黒が心配だ。今は元気に返事をしてくれたけれど。思っていたよりは早めに列が動いて、二…
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62.豫園
最近、暖かいというよりは暑いくらいな日が続くようになり、夏が近づいてきた実感が湧く。それなりに歩くだろうからパンツスタイルで、上は涼しいゆったりとした丈の長めのシャツにした。 いつも通り駅前で二人と待ち合わせる。今日は私の方が早かった。時…
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61.思いは溢れて
「なんか、いいことあった?」「え?」 雨桐に食事に誘われて、仕事終わりにレストランに寄った。仕事の話やテレビの話をだらだらとしていたら、ふいに雨桐は姿勢を変えて、これからが本題だと言わんばかりに訊ねてきた。「最近、浮かれてるよ」「そう?」 …
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60.かけがえのない出会い
小香が始めた取り組みは、すぐに全土の館に伝えられた。確かに、いままで共有されていなかった情報だ。これができれば、かなり便利になるだろう。しかし、大がかりなことだから思いついてもなかなか実行に移すのは難しい。そこを動かす鶴の一声だ。一度動き…
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59.君でよかった
无限大人は小黒を私のベッドに寝かせる。小黒はぐっすりで、全然起きなかった。そっと扉を閉めて、リビングに戻る。无限大人が椅子に座った後、私はそわそわしてしまって、お湯を沸かすことにした。「お茶、飲みますか?」「ああ。頼む」 お水をやかんに入…
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58.カレーと笑顔
「これでいいだろうか」 无限大人が見せてくれたじゃがいもはとてもきれいに切れていた。「はい! ばっちりです!」「次は、たまねぎかな」「お願いします」 私が剥いたたまねぎを見付けて、无限大人はとんとん、と軽快にカットしていく。この手つきを見て…
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57.みんなでお料理
「どれ買うの?」 小黒が率先して売り場を回り、无限大人がカゴを持ってくれる。カレーの材料を一緒に買って、うちで食べることになってしまった。二回目だからもう慣れたかというとそんなことはもちろんない。しかも買い物まで一緒にできるなんて、これって…
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56.休日に
休みの日、買い物に出かけていると電話が掛かってきた。无限大人からだ。どきどきしながら電話に出ると、元気な声が耳に飛び込んで来た。『小香! 今日お休み? 今何してるの?』「小黒? 今出かけてるよ」『ほんと? ぼくたちも出かけてるんだ! 小香…
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55.強さの源
「无限大人~!」 館を歩いていると、女性たちの黄色い声が聞こえてきて、足を止めた。入口の方で、人だかりができている。よく見えないけれど、あの中心にきっと无限大人がいるんだろう。妖精たちの中には深緑さんのように、无限大人をよく思っていない妖精…
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