夢小説

90.後悔

 二人で出かける、と決めたものの、どこへ行くかまでは考えていなかった。彼女の行きたいところへ行きたいと思っていたから。任せてみると、彼女はショッピングモールを提案した。彼女は最初は遠慮気味だったけれど、次第に楽しそうにウィンドショッピングを…

89.帰国

「また、連絡してよね」 雨桐に手を振り、キャリーバッグを転がして、エントランスへ向かう。 日本へ帰国する日。準備をしているうちにあっという間に残りの日々は過ぎてしまった。若水姐姐や深緑さん、いろいろな人に挨拶をして回ったら、みんな別れを惜し…

88.別れ

「もっと、あなたと……過ごせたら……って」 やっとの思いで声を絞り出す。これだけで耳まで真っ赤になってしまう。无限大人は、薄く微笑んだ。「……もう、君は十分学んだよ。向こうで、こちらでの経験を活かして欲しい」 无限大人の声は優しく、突き放す…